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ただ一つの行為 [聖書]

 ある秋の日、私は、一羽のわしがライフルで撃たれて、
瀕死の傷を受けているのを見た。わしの目は、まだ光の
輪のように輝いていた。やがてわしは、ゆっくりと首を
もたげて、もう一度、探るような懐かしいまなざしで、
大空を見上げた。わしは、この星をちりばめた大空を、
その強い翼で、幾度も幾度も翔ったのだ。
 美しい空は、わしの心のふるさとだったのである。空は
わしの領域であった。わしは、その大空で、自らの素晴ら
しい力を存分に用いた。限りない高空において、いなずま
と戯れ、風と競争したのであった。
 そして今、故郷からはるか離れたこの地上に横たわり、
終わりを迎えようとしている。
 それは、ただ一度だけ、自らを忘れて、低く飛びすぎた
からなのである。
ー ー ー ー ー ー ー
ただ一つの行為が
人生を台無しにするかもしれない。
また、ただ一つの行為が
人生を建て直すかもしれない。
(作者不明)
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