人間のはかなさ

主よ、あなたは世々にわたしたちの宿るところ。
山々が生まれる前から
大地が、人の世が、生み出される前から
世々とこしえに、あなたは神。

あなたは人を塵に返し
「人の子よ、帰れ」と仰せになります。
千年といえども御目には
昨日から今日へと移る夜の一時にすぎません。
あなたは眠りの中に人を漂わせ
朝が来れば、人は草のように移ろいます。
朝が来れば花を咲かせ、やがて移ろい
夕べにはしおれ、枯れていきます。

あなたの怒りに私たちは絶え入り
あなたの憤りに恐れます。
あなたはわたしたちの罪を見前に
隠れた罪を御顔の光の中に置かれます。
私たちの生涯は御怒りに消え去り
人生は溜息のように消えうせます。
人生の年月は７０年程のものです。
健やかな人が８０年を数えても
得るところは労苦と災いにすぎません。
瞬く間に時は過ぎ、わたしたちは飛び去ります。
御怒りの力を誰が知り得ましょうか。
あなたたを恐れ敬うにつれて
あなたの憤りを知ることでしようか。
生涯の日を正しく数えるように教えてください。
知恵ある心を得ることができますように。
（詩編90編１～１２）