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山頂をめざして [聖書]

道は険しく、雪におおわれていた
――道は困難であり、寒かった。
おおかみがおりの羊の群れを襲うように
風は激しく、私たちに襲いかかった。
私たちはくちびるをかみ、
強風の恐怖の中で苦しみもだえた。
そして、私たちの杖に心から感謝し、
あらしが早く過ぎ去らないかと思った。
時には、私たちの足は
凍りついた雪や氷の上を後ろにすべった、
時には、私たちはいくじなくつまずいた、
道が苦しく、耐え忍ぶことができなかった。
時には、私たちは倒れてしまった。
そして、倒れた私たちは
山頂に達しようと企てたことを悲しんだ。
私たちのうちにある希望は消えた。

道は険しく、雪におおわれていた
――道は困難であり、寒かった。
しかし、私たちは常に前進を続けた、
半ば恐れながら前進を続けた
――もはや私たちは大胆ではなかった。
そして、執拗な忍耐をもって
私たちは隠れた小道を押し進んだ。
私たちは、自然の力に戯れる
子供にすぎないかのように思われた、
怒り狂う風と、ひょうと、みぞれの中で
長く生きるにはあまりかよわい子供のように。
羽毛の毛布のような雪原は
巨大なきょうかたびらのように見えてきた
――疲れ、打ちひしがれ、ため息をついて
私たちは、ほとんど家に引き返そうとした。
しかし、空をかき裂くように荒れ狂い
私たちをさげすんでいるようなあらしの下を、
たじろぎながら、前進した。

道は険しく、雪におおわれていた
――道は困難であり、寒かった。
しかし、とうとう私たちは山頂に到達した。
そこは、太陽によって黄金に輝いていた。
太陽は、昼をやみに変えた陰うつなあらしの
雲の背景に、強烈な全き光を放っていた。
山頂に立って、
私たちは下をながめて祈ろうとした。
なぜなら、道中私たちをも守られた父なる神に
感謝をささげたかったから――
なぜなら、雪とみぞれの暴風は、
もはや過去のささいな出来事にすぎず、
私たちがついに山頂に到達したとき
太陽の光をさらに輝かしいものとしたから――。
(マーガレット・E・サングスター・ジュニア)
top of the mountain.jpg
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セイミー

ご訪問いただき有難うございます
by セイミー (2015-03-13 19:34) 

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