SSブログ

夢を持つ人の歌 [聖書]

神よ、わたしは夢の他のものを見たい、
でも、この私の夢も生きなくてはならない。
現実の霜にそこなわれないで、
心の中に、希望のように輝いて――

勇気――そしてさえわたるラッパの音、
勇ましい夢がある。
でも、わたしには戦災孤児の目にある
人に知られぬ苦しみを、見させてください。
私に孤児の慰めを見つけさせて下さい。
もう一度、その顔に微笑みを浮かべるような、
そんな無邪気な慰めを――

未来の、まだ形をなしていないもの、
霧のかなたに、すばらしく美しい夢がある。
しかし、神よ、わたしを助けて下さい。
全ての小さなもの、不快なものに対して、
盲目にしないでください。
たとえ、一時間でも二時間でも、
私がそのようなものにも心に入れて
麗しいものとするために。
手袋をはめていない手、飢え、すすり泣き、
悲惨な窮乏など――

音楽の夢、
まだ見たことのないような
深く甘美な夢がある。
でも、私は、耳を澄まして、
息を殺してむせび泣く声を聞きたい。
歌おうとしても、涙のために歌えないような、
声なき叫びの寂しくこだまするのを聞きたい。
神よ、私を強くして、
他の人を助けさせて下さい。
私の歌の夢を、
うつろな人の心に与えさせて下さい。
耳障りな、不快な、くだらない
現実の機織り機(はたおりき)から、
優しく美しい音楽を
織り出すことができるように――

銀色のもやに包まれた私の心の中に、
なつかしい夢がある。
なんと不思議なことだ。
今の、簡素で、小さいものが、
私の夢の輝きを増してゆく。
そして、突然
それが現実なものに変えられるのだ。
(マリアン・ビィンセント・ホフマン)
kiku14.jpg
nice!(24)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 24

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0